最高裁判所第三小法廷 昭和34(オ)877 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人山上宗治の上告理由第一点について。
論旨は、本件最終口頭弁論において、上告代理人が所論のような陳述をしたに拘
らず、調書に脱漏して居り、「他に主張並びに立証はない」旨陳述したという虚偽
の記載があるという。しかし、仮に所論のような違法があつたとしても、原判決は
結局所論拡張申立による被上告人の請求を認容していないのであるから、右違法は
原判決の結果に影響を及ぼさないものというべきである。それ故論旨は採用できな
い。
同第二点について。
論旨のうち、所論拡張申立に対する上告人の答弁をなさしめなかつた原審の措置
を攻撃する点の採用できないことは、論旨第一点に対して判示したとおりであり、
その余の論旨は結局原審の適法にした事実認定を争うに帰着するから、いずれもと
り得ない。
同第三点について。
本件土地賃借人及び地上家屋の所有者が、上告人自身でなく、一審相被告Dであ
るという事実は、上告人にとつて不利益な事実であるから、右事実を上告人が一審
で認めたのは自白たること明らかであつて、その自白なることを否定する所論は独
自の見解にすぎない。
また、自白の撤回を許さなかつた原審の措置を非難する所論は、結局自白が真実
に反することなしとした原審の事実認定を争うにすぎず、所論引用の判例は本件に
適切でない。
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されば論旨は、すべてとり得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 河 村 又 介
裁判官 島 保
裁判官 高 橋 潔
裁判官 石 坂 修 一
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